調査データの評価基準

この報告書では、調査結果を総合的にわかり易く表すために、清流指標「水辺診断書」による評価を行っています。評価方法は、以下の項目についてそれぞれの項目が20点満点、合計100点満点とし、5角形のレーダーチャートで表します。

 

(1)きれいさ~有機汚濁からみた指標(COD)

  • CODパックテストにより得られた測定値を用いて下表のとおり得点化。
  • パックテストの結果が低い方がきれいな水で、得点が高くなります。
得点 パックテスト濃度(mg/L)
20点 COD≦2
15点 2<COD≦4
10点 4<COD≦6
5点 6<COD≦8
0点 8<COD

 

(2)きれいさ~藻類繁殖に関する栄養塩類からみた指標(窒素、リン)

  • 窒素とリンは、それぞれ10点満点として合計20点満点とします。

◆窒素は、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素及びアンモニア性窒素の合計値について、下表のとおり得点化。

得点 窒素 パックテスト濃度合計値(mg/L)
10点 N<0.4
8点 0.4≦N<1
6点 1≦N<2
4点 2≦N<5
2点 5≦N<10
0点 10≦N

■リンは河川における実際の濃度を考慮し、リン酸性リンのパックテストの濃度区分に応じて、下表のとおり得点化。

得点 リン パックテスト濃度(mg/L)
10点 P<0.02
8点 0.02≦P<0.05
6点 0.05≦P<0.1
4点 0.1≦P<0.2
2点 0.2≦P<0.5
0点 0.5≦P

 

(3)透明さ(透視度)

  • 濁り成分によって左右される透明さを透視度の測定値を用いて、下表のとおり得点化。
  • 透視度の結果が高いほど澄んだ水であり、得点が高くなります。
得点 透視度
20点 100≦透視度
15点 60≦透視度<100
10点 30≦透視度<60
5点 10≦透視度<30
0点 透視度<10

 

(4)水のようす

  • 水のにおい、油膜、泡立ち、浮遊ごみの4 項目は各5点満点で、その合計値(20点満点)を水のようすの得点とします。

 

(5)川とまわりのようす

  • 川の流れのようす、水辺の散乱ゴミ、川の中の生きもののすみ場、水辺の生きもののすみ場の4項目は各5点満点で、その合計値(20点満点)を川とまわりのようすの得点とします。

水質検査項目の説明

 

水素イオン濃度(pH)

  • 酸性かアルカリ性かの程度を0から14までの数値で表したもので、水素イオン濃度を表す単位です。
    ピーエイチ(又はペーハー)と読みます。
  • pH7が中性で、数値が小さいほど酸性が強く、数値が大きいほどアルカリ性が強いことを示します。
  • 川のpHは、通常6~8程度です。また、一般にpH5.6以下の雨を酸性雨といいます。

 

化学的酸素要求量(COD:Chemical Oxygen Demand)

  • 水中の有機物を薬品で分解したときに消費(要求)される酸素の量。
  • この数値が大きいほど水中に有機物が多く、汚れていることを表します。
  • きれいな川のCOD値は0~2mg/Lくらいです。

 

アンモニア性窒素(NH+-N)

  • 生物の死骸やし尿が分解する過程で発生する物質。
  • 畜産排水や生活排水などが流れ込むと、水中のアンモニアが増えます。
  • アンモニアは微生物や酸素の働きで、亜硝酸から硝酸へと変化するため、検出された場合は調査地点の近くで汚染があったか、汚染して間もないことが推定できます。
  • 河川の上流水や湧水の数値の目安は0.05mg/L、雨水は0.1,-...;0.4mg/L、河川の下流水は0.5~
    5mg/L、下水は5mg/L以上です。

※「性」は、「体」あるいは「態」と表現する場合もあります。以下同じです。

 

亜硝酸性窒素(NO2--N)

  • アンモニアが水中で変化して、亜硝酸性窒素となります。
  • 亜硝酸が検出されれば、近くに汚染源があることを意味します。
  • 河川の上流水の数値の目安は0.0018,....,0.03mg/L、河川の下流水は0.09mg/Lです。

 

硝酸性窒素(NO3--N)

  • 不安定な亜硝酸性窒素が変化して、安定した硝酸性窒素になります。
  • 閉鎖性水域(湖沼や湾など)では、濃度が高いと藻やプランクトンの異常発生の原因になります。
  • 雨水の数値の目安は0.2~0.4mg/L、河川の上流水は0.2~ 1.Omg/L、河川の下流水は2.0~6.0mg/Lです。

 

リン酸性リン(PO3-4―P)

  • 生物の体が分解されるときに出るほか、生活排水や化学肥料などが流れ込むことでも増えます。
  • 雨水や河川の上流水の数値の目安は0.05mg/L以下、河川の下流水は0.1~ 1.Omg/Lです。

(参考:だれでもできるパックテストで環境しらべ(合同出版))